「此の路や一体何所々々まで歩けば良いの」と呟けば 「延々続きまするぞな」と――は、何方彼方の答やらな… 小さな行灯 片手に歩めば 「進むが好しや」と嗤い 揺・凛・弄(ゆらりんろう)と、さも蜻蛉と背中を圧す闇蟲が声 幾度と響く風の唄は敵か味方か、嗚呼果たして… 深々月夜を 背負う何者か 「戻るは無しや」と嗤う 性悪共に誘われて、迷い込み踏み込んだは 誰も知らぬ妖かしの土地、生きて還りたいならば さあさ御出で、未だ抜けた者の居ない、此の森へ… 触・夜・離(ざわりよろり)と、蠢く其れは正に人で無しものの声 何処かにて啼いた梟の、決して月如し眼に非ず… お天道様さえ 見抜けぬ悪鬼の まこと無残な思惑 物の怪らよ贄は揃うた、闇色を纏いて、さあ 誰も居らぬ妖かしの街、子供らの白き御魂 さあさ連れて、逝くが良いよ、魑魅(すだま)の花一匁(はないちもんめ)… ――蝋燭吹消し げに悍(おぞま)しき 奇談に幕を下ろせば 怨みつらみを語り尽くす 禍々しき戯(あそ)びにて 「百にはまだまだ足らぬぞ」と 囁く嗄れ声が 君や私でない、としたならば、何ぞの物やらな… 発売日:2007-06-29 歌手:片霧烈火 作詞:大石孝次 作曲:大石孝次