一月四千五百二十円」の歌が含まれ

ソロバン節-古今亭志ん朝

「顔のニキビを ジロジロ眺めて

お前にゃ彼女が ないのかなんて

よけいな節介 止めてくれ

月給一万三千円

デートのプランは バッチリOK

チョイト ソロバン 借してみな

御破算で願いましては

「電話がガチャント十円で 電車は定期で

間に合わせコーヒー二人で一二〇円

トンカツおごって三百円 映画が二人で五百円

お土産ケーキが二百円〆て千百三十円

一月四千五百二十円」

………こりゃだめだ!

心配すんなよ 一年二度の

ボーナスそっくり お袋さんに

ポイと渡して 平っちゃらさ

質屋の のれんも くぐらずに

ホイ ホイ彼女と やってける

チョイト 見上げた 心掛け

御破算で願いましては

「室代三千五百円 洋服月賦が二千円

朝はパン食 昼ラーメン 夜は自分でメシを炊く

食費が一月六千円 新聞 タバコにガス電気、

雑費が三千五百円 〆て一万五千円」

………こりゃだめ!

とかく男という奴ァ見栄っぱり

ひとついいとこ 見せようなんて

日曜たんびに デートすりゃ

あとの六日が 泣けちゃうネ

カワいた脳ミソ 叩いたあげく

ガサッとでてきた この名案

御破算で願いましては

「電話は会社で間に合わせ 新聞雑誌は

拾い読み 靴はこのままハキつぶし

トコ屋は長持ち丸坊主 タバコは他人に

イタダイて 昼メシ食わずに水飲んで

セビロも自分で洗っちゃう これで

彼女にモテルかナ

………もう………イヤ!

発売日:2009-07-15

歌手:古今亭志ん朝

作詞:萩原哲晶

作曲:東逸平