女盛りの 柔肌に たぎり血汐を 何としょう 義理も人情も 恋には勝てぬ それが誠の 恋の道 「妾は舞台に生きる女優です。妾は見せてやりたい。 妾と先生の恋愛が、どんなに素晴らしいものか、 世間の人たちの目に見せてやりたい。いいえ。 先生の奥さんに見せつけてやりたいんです」 「ああ、君という人は困った人だ。だがこれだけの情熱を 舞台ばかりでなく、現実でも人目を怖れず、偽わらず に演じることの出来る君は、矢っ張り、わが芸術座を 背負って立つ大女優だ。私は君に負けた。性格の弱い、 実行力のにぶい私が、はげしい君の灼熱の情火に 負けてしまったのだ」 戸山ヶ原の 中空に 仰げば哀し 十日月 ああこの恋に あれくるう ああこの恋に ほとばしる 渕に瀬もあれ 抱月は 須磨子をぐっと 抱き寄せる 燃える情火は 草を焼き しばし声なし 天も地も あるは悲しい 虫の声 回り舞台の 雪に泣く あわれ須磨子よ カチューシャよ 人のさだめは 恋ゆえ変わる 浮世ドラマの 恋無情 「先生死なないで、死なないでー。 わたし一人をおいて、なぜ死んでしまったのです」 舞台の台詞そのままの、身も世もあらぬ絶叫慟哭は、 月にこだまし、月もまた泣いた。 「先生、妾も参ります。若しもあの世に三途の川が あるならば、待ってて下さい渡らずに。 せめてやさしい先生の、背に負われて渡りたい」 生きて骸(むくろ)に なるよりは 死んで咲かそう 恋の花 蓮のうてなの あの世とやらで 共に行きましょ いつまでも 発売日:2000-08-23 歌手:天津羽衣 作詞:門井八郎 作曲:久慈ひろし
「ハハウエキトク」の しらせを受けるや みんな逢いに来たよ 極道息子も 急いで駆けつけ 孝行息子は 花束かかえて 涙こらえて 微笑みうかべて まわりをかこんで 優しくささやく 母さん 冷たい額に 白毛のほつれる 悲しみの母よ 涙で見守る 息子や娘が 両手を合わせて唄うは アヴェ・マリア アヴェ・マリア 涙があふれて 歌声もとぎれ 死なないで 死なないで それだけを祈る 幼い昔を 偲んで息子が つま弾くはギター 幼い私が あなたに抱かれて 静かに夢みた 懐かしあの歌 私は二度とは あなたのそばから 離れはしないわ 元気になってよ 母さん 微笑みうかべて 夢みているよな 美しい母よ なんにも出来ない 息子や娘が 救いを求めて唄うは アヴェ・マリア アヴェ・マリア 涙があふれて 歌声もとぎれ 死なないで 死なないで それだけを祈る 母を 母を 母を 母を 救いたまえ…… 発売日:2004-03-24 歌手:小林暁美 作詞:Ch.アズナブール 作曲:訳詞:なかにし礼
花火が 散って 行った 青空 懐かしかった 思い出が 輝いて 散って 行った 泡沫 行かないで 行かないで ここにいて どうして 君の様な 素晴らしい人が 小さなこと 真に受けては 抱え込んで しまうのだろう あの日と 同じ様な ニュース 流れた あれから あなたは 歳を取らないままだ 「ねぇ そんな風に 自分を責めないで 聞くに 値しない様な ノイズばかりだよ」 ねぇ そんな風に 言えてたら 君はまだ ここにいた? 花火が 散って 行った 青空 懐かしかった 思い出が 輝いて 散って 行った 泡沫 行かないで 行かないで ここにいて 瞼の裏に 住まないで 僕だけ 背が伸びて 何度目の季節 気付けば あなたの歳を 追い越してた 「ねぇ そんな風に 自分を責めないで 聞くに 値しない様な ノイズばかりだよ」 ねぇ どんな 言葉を かけて あげていたら 居てくれた? あなたが 置いて行った 言葉が 時を 隔って 行く度に 輝き 増してるんだ 今更 これ以上 これ以上 泣かないで 思い詰めて しまわないで あなたの 粒子が この地表 舞って 降り注ぐ でも やっぱ 寂しいんだよ 花火の様に 去った 命が 愛おしかった 人達で 溢れてるんだ たまらないんだ あなたが 置いて行った 言葉が 僕の中で いつまでも 輝き 増して 行って 困るよ 死なないで 死なないで ここにいて 瞼から 消えたって 忘れる訳 ないけど ここにいて 発売日:2021-08-11 歌手:Plot Scraps 作詞:陶山良太 作曲:陶山良太