「水熊のおかみさんは お浜ってのか 俺のおっかさんと同じ名前だ おっかさん おっかさんならいいがなあ」 姿やくざな 番場の鳥も 人の親見りゃ 涙ぐせ 生きておいでか お達者か 昔恋しい 母の顔 「おかみさんは 憶えがあるんだ。 その顔はまともじゃねえ、 あっしは江州番場の宿の、おきなが屋の せがれ忠太郎でござんす。 おっかさん えッ 違うッてえんですかい」 来てはいけない 水熊横丁 愚痴じゃないけど なんで来た 親と名乗れず 子と言えず これも浮世の 罪とやら 「上下の瞼を合せ、じいッと考えてりゃ 逢わねえ昔のおっかさんの姿が 浮かんでくるんだ。 それでいいんだ 逢いたくなったら、逢いたくなったら 俺ぁ眼をつぶるんだ」 呼んでくれるな 情けの声よ 河原すすきも とめたがる どこへ飛ぼうと 忠太郎 母は瞼に 御座います 発売日:2003-08-06 歌手:真山一郎 作詞:藤間哲郎 作曲:桜田誠一
「旅の鳥でも烏でも母の乳房が忘られず、せめてひと目と面影を、 瞼に描いて旅の空、たづね歩いて十五年。どこにどうしていなさるか。 逢いてえ。」 姿やくざな 番場の鳥も 人の顔見りゃ 涙ぐせ 生きておいでか お達者か 昔恋しい 母の顔 「ア? その顔は? おかみさんは覚(おぼ)えがあるんだ。 所は江州馬場宿(しゅく)で、六代続いた旅籠(はたご)渡世(とせい) の置長屋(おきながや)。あんたがそこへ嫁(かた)づいて生んだ子が、 あっしでござんす。忠太郎でござんす。お母さん ええ?人違いだと仰っしゃるんでござんすか」 来てはいけない 水熊横丁 愚痴じゃないけど なんで来た 親と名乗れず 子と言えず これも浮世の 罪とやら 「そうでござんすか………瞼と瞼をピッタリ合わせ、 じっとこうして考えてりゃア、いつでもどこでも瞼の底に、 母の姿が浮んで来るんだ。それでいいんだ。 逢いたくなったら眼をつぶらア………」 呼んで呉れるな 情の声よ 河原すすきも とめたがる どこへ飛ぼうと 忠太郎 母は瞼に 御座います 発売日:2007-11-21 歌手:水城一狼 作詞:藤間哲郎 作曲:桜田誠一