「今日は60人のA型の血液が必要です。献血にご協力をお願いしまあーす。」
「O型全国的に不足しております。400ccできれば助かります。
こんな自分でも誰かの役に立てるなら、やりたい、でも分からない
あたしの血液400ccもあげたら血が足りなくなるかもしれないじゃない
名前をよばれたあたしは看護婦さんの横に寝転んで左腕をさしだした。
この血液が流れていく喜びを小さくも熱くあたしは体中でかみしめて
たった一人の献血がもたらすことは ほんの小さなことかもしれない
400ccのパックに充填されて明日には患者さんのもとへ届くという
そのうち400ccを抜いてもへっちゃらだって看護婦さんが言ってた。
あたしの声が あたしたちの音が あなたの体中に、心中に響いて、