近頃流行のカフェ。あなたはコーヒー、私はキャラメルマキアート。
私は3年前に多々の事情で、その様々な、色々な事情で一人になった。
そうか定年か…お互い50も半ば過ぎ、四捨五入で…数えることないか。
「ご飯どうしてるの?」「うん、自分で作るんだ。これが結構大変でさ。
時々こうやってお惣菜買うんだ。今、おいしい物何でも揃ってるからね。」
2杯目のキャラメルマキアートのストローが切なく空気を吸っている…。
夕暮れがそろそろ星のカーテンを降ろし始める。愛想のいいウェイターが
いつも歌ってくれた しゃがれた「Blowin' In the Wind」
「最近、飲めなくなってさ。」「アハ、あたしも。」って言いながら、
傷つけ合う事も愛し合うことも知らなかった少女の恋がよみがえる。
「そろそろ行かなくっちゃ。久しぶりに楽しかったわ」「こちらこそ。」