彼女に初めて会った日 俺は台風に追われてた 北の街に うたいに行く時 この街までは どうにか来たが 目的地行きの汽車は走らない 旅行客は足を もぎとられ ダルマみたいに転がっていた 大きな川が 氾濫したらしい テレビは ニュース速報ばかりだ それで この街に一人残され 俺は 一文無しの風来坊 皆な 今頃 うたってる頃だなア 俺には 今 うたう場所がない 彼女に初めて会った日 3日目の夜 男がやってきて 今夜 みんなが帰って来ると言う 男は 俺をむかえにきてくれた 行った先は 女のアパート 彼女はドアの影に立っていて 長い髪は 彼女をかくしてた 彼女は 俺を中に入れると 風船みたいなソファをくれた 彼女は ひっそりと一人暮し 北国の街が君にはおにあいさ 彼女は 19才だったけど 俺には もっと大人に見えたんだ 彼女に初めて会った日 旅のつかれも 心のつかれも コーヒーの香りがいやしてくれた いつか聞いた あのメロディー 小さなラジオから流れてた 街は静かに 更けわたり 犬の遠ぼえが 遠くで聞こえた 二人でかわした 小さなはなし 息の音まで 俺には聞こえた 今日初めて彼女に会ったのに もう何年も ここにいるみたい 明日 この街出て行く俺だけど いつか又 会えると思った 彼女に初めて会った日 台風は 今夜オホーツクに抜けて かわりに皆なが 帰ってきた 再会を祝って カンパイをした 又 俺は 金と仕事を手に入れた 彼女に 初めて会った日 俺は 一文無しの風来坊 彼女に 初めて会った日 俺は 台風に追われてた 彼女に初めて会った日 彼女に初めて会った日 発売日:1994-02-21 歌手:大塚まさじ 作詞:大塚まさじ 作曲:大塚まさじ