命追われて 力も尽きて 闇路に光る ふたつ星 泣いてさめざめ 天満屋お初 帯は裂けても 心は裂けぬ お初…徳さま… 忍び爪立ち 梅田橋 「冬に耐えれば春がくる 例え…この身は蜆川(しじみがわ)の水底(みぞこ)に沈んでも あなたの側にいたい 徳さま…離さないで… 願い叶わぬ夢ならば 次の世でもその次の世でも あなたと暮らしたい 徳さま…きっと…きっと…幸福にして下さいますね」 肌に白無垢(しろむく) 無情の霧道(みち)は 一足ずつに 消えてゆく 風の曽根崎 天神様よ どうぞお願い 一緒に泣いて お初…徳さま… 恋の道行(みちゆき) 鐘の音(こえ) 「徳さま…浅黄(あさぎ)の色の抱え帯 この帯で二人の躰をしっかと縛って下さいな 松と棕櫚(しゅろ)とは根元(ねもと)でひとつ この連理(れんり)の木にすがって死にましょう あ…あれは暁(あけ)の七ッの鐘 六ッ嶋りて残る一ッが 今生(こんじょう)の鐘の響きの聞きおさめ 徳さま…早よう迷わずその脇差しを抜いて下さいな 徳さまと一緒に死ねることがうれしい…うれしいの…」 解けた黒髪 震(ふる)える肩は この世のなごり 夜も別れ 抱いて下さい 力の限り 永遠(とわ)の契りは 誰にも断(き)れぬ お初…徳さま… きっとあの世で 添い遂げる 発売日:2002-12-18 歌手:島津亜矢 作詞:さとの深花 作曲:村沢良介