浮き世ばなし-藤あや子

ただ人は情けあれ

しょせん浮き世は花と蝶

Tokyo がお江戸の昔なら

据え膳食わぬわとか言っちゃって

肩で風切る 男衆

八百八町の夕暮れ時にゃ

花へ花へと舞う蝶に

泣いてすがるが女のさだめ

時代がね 変ったね

今じゃ蝶々の意気地がなくて

憂き世かね 浮き世だね

花が蝶々の蜜を吸う

隅田の川沿い尾形船

熱燗一献とか言っちゃって

酔えば口説きの 男衆

玉屋鍵屋の掛け声あがる

花火灯りの消えた隙

蝶が身八つに忍ぶはさだめ

時代がね 変ったね

今じゃその指 文字打つばかり

憂き世かね 浮き世だね

花は蝶々が焦れった

本気になるやら ならぬやら

お酒が恋人とか言っちゃって

遊び上手な 男衆

苦労話につい絆されて

花のつぼみは夜ごと咲く

蝶の浮気も責めぬがさだめ

時代がね 変ったね

今じゃ花にも棘などがあって

憂き世かね 浮き世だね

花が蝶々を 泣かせてる

時代がね 変っても

しょせんこの世は男と女

憂き世かね 浮き世だね

花も蝶々も 愛しいね

発売日:2015-03-04

歌手:藤あや子

作詞:村山由佳・美樹克彦

作曲:美樹克彦