嘘つきの最期-矢野絢子

嘘つきが眠る夜に浮かぶ夢はきれい

草原に落ちる雨の最初のひとつぶみたい

嘘つきが眠る夜に浮かぶ夢はきれい

引っ越した部屋の隅に転がるビー玉みたい

何を映してるのかしら

心配安心音無音

嘘つきが眠る前に映したものはきたない

一つしか面の無い組み立て式の正義

嘘つきが眠る前に映したものはきたない

落ちる前に巻き戻して塗り替えた太陽みたい

どこに向かってるのかしら

心配安心音無音

羽を飾ってプラカードをもった白い群衆

嘘つきの目にチクリと飛んできたそれは

舞い上がる砂利でも割れたビンでもなかった

それは正義か 真実か

ねえどうして本当の事なんか知りたくないくせに

こんな時だけみんな知りたいふりをするの

本当の事は美しいとでもおもっているならお笑い草だね

嘘つきは生まれてから一度も涙を流さず

流さないまま死んで行きました

そうあのチクリと飛んできたカケラが

体中をめぐった天罰でしょうか

誰かがほっとして

誰かが泣きました

世の中なんて

こんなものです

発売日:2004-09-08

歌手:矢野絢子

作詞:矢野絢子

作曲:矢野絢子