sorriso escuro-中谷美紀

真昼の海岸は廃墟の模型のように明るい

北の熱帯で生まれた嵐が波打ち際で死ぬ

脈搏は手首で蒸発する 海は海岸線で脱皮する

眠るきみの肩を揺すると 砂浜に夢の果実が落ちる

流線型の少年が泳ぐ

地下水道の不死身の魚の遠隔操作(CODE)で

潮騒の秘密の心臓の水路を

眼球(ひとみ)の曲線を

天蓋の空の青はこの天体の裸体(かたち)

きみは笑う秘密結社の噴水

明るさはきみの悲劇

sorriso escuro

sorriso escuro contra o sol

想い出は客船の通風孔から空の裂け目にあふれる

珊瑚礁の美しい臓器のように

悲しみは微睡(まどろ)む 冷たい水の中の無数の瞳

愛しているといってもきみは彼らほどに動揺しない

黄金の皮膚の下の筋肉には毛細血管に蜜が流れている

崇高な楽器にひとしい稲妻の結晶体

振動を止めた2つの声帯は 受信する鉱石

直観の裸体 避雷針が傍受した青空

発売日:2007-04-04

歌手:中谷美紀

作詞:売野雅勇・Arto Lindsay・Vinicius Cantuaria

作曲:Arto Lindsay・Vinicius Cantuaria