冬の螢-加藤登紀子

冬の風に咲く花びら あなたにあげるわ

別れの思い出に 祈りをこめて

冬の朝に生まれた人は 冬を愛しつづけ

哀しみのその数だけ 人を愛せるわ

ふきやむな冬の風よ 季節がかわっても

冬の螢のように はるかかなたへと

とんでゆけ

太陽が空に沈むときあんなに赤くて美しいのは

太陽がさよならを言っているからだって

誰かが言ったわ

今 私があなたにさよならを言っても

空は赤く染まってはくれないけれど

出来ることなら空いっぱいに

花火を打上げてあなたに贈りたい

思い出のひとつひとつに火をつけて

冬の空いっぱいに花火を打上げて

あなたに贈りたい

それが私のさよなら

それがあなたへのさよなら

冬の風に飛び立つ鳥は 冷たさを愛し

ふきつける嵐の中へ 身を躍らせる

旅立つあなたの胸に今 火をともして

哀しみのその数だけ 燃やしてほしい

ふきやむな冬の風よ 季節がかわっても

冬の螢のように はるかかなたへと

とんでゆけ

発売日:2014-11-05

歌手:加藤登紀子

作詞:加藤登紀子

作曲:加藤登紀子