青 feat.Ruo-LITZER

一面の果樹園に 一際青い実が成っている

早く熟れたいと望む一方 留まることに安堵する

芯が細く 風が吹けば

すぐに萎れてしまうような実だ

才能も無くことばも持たないことを盾にして

狭い箱の中 僅かな優しさ前に

ひとり種を弾くだけ

未だその心の内を明かさぬよう

今日もまたひとり画面に向かう

青い実は青いまま 東京行きの列車に揺られた

そこに向かえば旬とやらが来るのだろうと信じて

待ち遠しくて 心はバウンドした 

何も芽生えぬことを知らずに

その街はすべてが閃光のように散っていく

人も 季節も 通り過ぎゆくだけで

現実を嗤われる

路上生活の空耳に心を侵されては

今日もまたひとり小さく歌う

満たされない 哀れな時代を生きながらえている

暗い箱の中 名も知らぬ他人の手に

潰されては腐ってく

そんな世界に微かな望みを抱きながら

今日もまたひとり空を見上げた

発売日:2021-02-12

歌手:LITZER

作詞:LITZER

作曲:LITZER