ブーメランのように-原田知世

蒸気した ビルから 落ちてく 自分は

月には 立てない 半端なさようなら

ブーメラン みたいな 今夜の 三日月

投げても 飛ばしても 窓辺に浮かんで

革靴はドアに投げられて

夜をつめこんだポケットは

はめをはずしたいと 膨らんでゆくの

迷わない も一度靴をはく

憂鬱な テレビの ニュースが 伝える

渋滞 100km 外が呼んでいる

海のある窓に倒されて

紅をさしながらくちづけた

ここがわたしの場所 水が溜まってゆく

気持ちいい ずぶ濡れの前髪

蒸気した ビルから 落ちてく 自分は

ブーメラン みたいな 今夜の 三日月

憂鬱な テレビの ニュースが 伝える

ブーメラン みたいな 今夜の 三日月

水平の肩に 垂直の首

部屋の壁に張り付いてみる

スポンジのような踵が 少し浮き上がっている

瞳の奥の方に棲んでしまった海から

潮騒は かすかに窓ガラスを揺らす

感じてはいけないことなどない

信じてはいけないことなどない

愛してはいけないことなどない

開いてはいけない窓などない

始めてはいけない終わりと

終わらせてはいけない始まりが

背中合わせで わたしの心にいる

発売日:1996-05-17

歌手:原田知世

作詞:鈴木博文

作曲:羽場仁志