「手前のことを言うのは嫌でございますけどネ、 私は座頭という名前の通り、五年前までは、笛を吹いて 町を流していた按摩でさぁ 眼が見えねえばっかりに、ずいぶんいじめられもしました。 悔りもうけました。泣きはしないが、くやしかったね。 今に見ていろ眼あきの野郎ども、そう思っていじりはじめたのがこいつだ。 眼くらはね、針の修行をつんでも検校という高い位に昇れるんだ。 又、琴・三絃の師匠にもなれる。だが、そんなことは俺の性には 合わねえし、又、眼あきどもが眼玉ひんむいて驚くほどの事じゃねえやな。 そうでございましょう。皆さん方も立派な眼あきだが、 こんな事出来るかい」 およしなさいよ 無駄なこと 言って聞かせて そのあとに 音と匂いの 流れ斬り 肩も寂しい 肩も寂しい…… 「いやな渡世だなあ」 親のある奴 どきやがれ いやだいやだと よけながら 涙忍んで さかさ斬り 何処へ行くのか 何処へいくのか…… 「もう眼があきてえなあ」 発売日:1997-04-25 歌手:勝新太郎 作詞:曽根幸明 作曲:川内康範