時代おくれの酒場-加藤登紀子

この街には不似合な

時代おくれのこの酒場に

今夜もやって来るのは

ちょっと疲れた男たち

風の寒さをしのばせた

背広姿の男たち

酔いがまわればそれぞれに

唄の一つも飛び出して

唄を唄えば血がさわぐ

せつなさに酔いどれて

気がつけば窓のすきまに

朝の気配がしのびこむ

あーあどこかに何かありそうなそんな気がして

俺はこんな所にいつまでもいるんじゃないと

この街には住みあきて

俺の女もどこかへ行った

あいつ今頃どこでどうして

どんな男といるんだろう

夢のにがさを知りもせず

夢をさがしているんだろう

あーあどこかに何かありそうなそんな気がして

俺はこんな所にいつまでもいるんじゃないと

この街には不似合な

時代おくれのこの酒場に

今夜もやって来るのは

違う明日を待つ男

今夜もやって来るのは

昨日を捨てた男たち

発売日:1996-09-01

歌手:加藤登紀子

作詞:加藤登紀子

作曲:加藤登紀子