走ってゆけ-杏子

不眠症でも夢を見る

夜を想って夢を見る

幼い自分の姿は

孤独の底にひとりぼっち

灼熱の砂

揺れる影

追憶の風が叫ぶ

走ってゆけ 砂漠を

終焉(おわり)の鐘 響くその前に

走ってゆけ 止まらずに

暗闇の声に 決してふりむくな

金貨の数をかぞえても

涙の人は顧りみない

欲にまみれたペテン師が

死神の足音に怯える

人生の砂

旅の果て

審判は下されるだろう

走ってゆけ 砂漠を

欺かずに 何も恐れずに

走ってゆけ 止まらずに

わずかな痛み 胸に確かめて

喉に張りつくアンフェタミン

氷の手足引きずって

三十年間休まずに

歴史の片隅を彷徨(さまよ)う

運命の砂

消えた鳥

絶望の壁の向こう

走ってゆけ 砂漠を

やがて すべて消えるその前に

走ってゆけ 止まらずに

大地の熱に この身を焦がし

走ってゆけ 砂漠を

終焉の鐘 響くその前に

走ってゆけ 止まらずに

暗闇の声に 決してふりむくな

発売日:1995-04-10

歌手:杏子

作詞:杏子・大平太一

作曲:大平太一