カーテンコールはもういらない-中村雅俊

鶯色のロフトの壁に

古いポスターが 破れてる

吹きだまりの 涙の匂い

うす汚れた靴で もみ消した夜

別れの場面のたび

女は女優だった

ひきずれない 想い出なら

冷たいことばを やさしくくれた

過ぎ去った日々には

カーテンコールは もういらない

ひとりで眠るとき

夢になれば それでいい

よこなぐりの雨の街が

バーボングラスに 揺れている

さびしい同士が 出逢うから

心のしぐさなど 火を貸すくらい

幸せ終えてみてば

男は喜劇だった

傷ついても 立ち止まれず

丸めた背中で 泣くだけ泣いた

美しい日々には

カーテンコールは もういらない

ふりかえるといつか

淡い彩の 絵になれば……

過ぎ去った日々には

カーテンコールは もういらない

ひとりで眠るとき

夢になれば それでいい

発売日:1992-02-01

歌手:中村雅俊

作詞:松井五郎

作曲:奥慶一