渚にて-For Tracy Hyde

この休暇を終えたら、ちゃんと大人になろうね。

昨日とは違う神様、昨日とは違うアイロニー。

誰もが通る定めをたどるべき瞬間が僕らにも訪れたって、

それだけのことなんだよ。

歌のありかを知る君は、気づけばずっと先でくるくる踊る。

すみれ色の声を焼ける陽にさらした――晴れ空に取り繕った嘘に笑って。

いつも舌をもつれさせる3単語の台詞があって、

寄せては返す波のようにありふれていた物語。

素知らぬ顔して忍び寄る月。

なんとなく夜は懐かしい匂いで、

移ろうあれやこれやそれが、わけもなくちょっと怖くなったりする。

ひとくち飲み残したラムネのぬるさに似た、

甘ったるい風に吹かれる横顔に、泣きたくなる。

愛に満たされすぎたら、苦しいくらいすべてがきれいに見えた、星の浜辺。

得体の知れないロマンにだまされ続ける時間を終えられるかな……?

いつか灰色をした街でVHSを巻き戻したって、

二度と戻らないふたりがいまここにいる――

渚にて。

ふだん通りに朝がきて、

なにも変わってない気がして、

でも、会わなくなって、会えなくなって、

交わす言葉も薄れていって、

「友達」のまま友達じゃなくなっていくけれど、

この休暇を終えたら、ちゃんと大人になるんだっけ。

さあ、帰ろうか――まだ眠たいけれど、

発売日:2016-12-02

歌手:For Tracy Hyde

作詞:管梓

作曲:管梓