彼女-佐野元春

引き潮のように

すべてが遠のいてゆく

影の中に残されて

彼女の歌は もう聞こえない

燃える夜を貫いて

彼女を愛していた

耳に残るささやきは

幻のようにくり返す

きのうまで話していた

恋人とは思えない

彼女のキスは まるで

氷のように冷たい

同じ季節の中で

二人は踊り続けた

何がいけないのか

教えて欲しいのさ

彼女の扉の外で

長い間 待っていた

風が吠えはじめて

街の顔がうつろってゆく

このまま闇の中に

とけこんでしまいそうだぜ

僕だけが まだ夢を

みているように

流れてゆく 変わってゆく

街のざわめきを後にして

流れてゆく 変わってゆく

Here in the twilights

彼女が運んできた

季節とともに

明日ここから

離れてゆこう

燃える夜を貫いて

彼女を愛してきた

耳に残るささやきは

幻のように消えてゆく

発売日:1992-08-29

歌手:佐野元春

作詞:佐野元春

作曲:佐野元春