石狩挽歌-藤田恵美

海猫(ごめ)が鳴くから ニシンが来ると

赤い筒袖(つっぽ)の ヤン衆がさわぐ

雪に埋もれた 番屋の隅で

わたしゃ夜通し 飯を炊く

あれからニシンは どこへ行ったやら

破れた網は 問い刺し網か

今じゃ浜辺で オンボロロ

オンボロボロロー

沖を通るは 笠戸丸

わたしゃ涙で にしん曇りの 空を見る

燃えろ篝火(かがりび) 朝里(あさり)の浜に

海は銀色 にしんの色よ

ソ-ラン節に 頬そめながら

わたしゃ大漁の 網を曳く

あれからニシンは どこへ行ったやら

オタモイ岬の ニシン御殿も

今じゃさびれて オンボロロ

オンボロボロロー

かわらぬものは 古代文字

わたしゃ涙で 娘ざかりの 夢を見る

発売日:2015-04-15

歌手:藤田恵美

作詞:なかにし礼

作曲:浜圭介