闇に降る雨-椎名林檎

余りの暑さに目を醒ましさっき迄見ていた夢の中

東西線はあたしを乗せても新宿に降ろしてくれなくて

辿り着けない

此処に欲しい腕や髪や首筋

貴方の嫌う生温い雨に濡らされてゆく

貴方に降り注ぐものが譬え雨だろうが運命だろうが

許すことなど出来る訳ない

此の手で必ず守る

側に置いていて

天気予報が外れてばかりの毎日が見させた嘘の闇

高揚も時めきも溜め息も消耗しやがて失くなりそうで

招きたくない

空々しい土の香や向日葵の

すぐにも迎う馨(かぐわ)しい絵画と化する日など

貴方を知り尽くすことが譬え 可能だろうが不可能だろうが

満たされる日が来る筈もない

身体が生きている限り

側に置いていて

貴方に身を委(まか)すことが譬え 危険だろうが安全だろうが

留め金などが在る筈もない

全て惜しみなく挙げる

貴方に降り注ぐものが譬え 雨だろうが運命だろうが

許すことなど出来る訳ない

此の手で必ず守る

側に側に置いていて

発売日:2000-03-31

歌手:椎名林檎

作詞:椎名林檎

作曲:椎名林檎