「ねえ、最後に話をしよう」 灰色の管、繋がった君の口元 「そうだ、少し頼りないような、 君の下手な歌、好きだったよ」 煤けたカーテンに囲われ、 夜中の秘密みたい。 機械に飲まれてく 君の血、吐く息、心臓の音。 それでも、美しいね。 意味もなく、なぞるように 名前を呼び合って 最後の夜の約束 車椅子の花嫁 「君に愛されて生きてこれたこと、 とても幸せに思うの。 だから泣かないで、ねえ」 「ほら、君が好きだって言った、 映画の終わりも、こんな風だったね」 「ちょっと理科室みたいな匂い。 仲が良かった子、どうしてるかな」 二度と季節は巡らない。 二度とページはめくられない。 水も吐いてしまう花束は、眠ったまま。 黒い空、堕ちてくる 悪い夢を見た。 涙の海に沈んでく、僕の街の夢を見た。 きっと何一つ、夢なんかじゃなかった。 夢の中でも君だけは、いつも正しかった。 張り詰めたサイレンと、汽車を待つ君の六月 許せないこの僕をもう一度、許してほしい。 発売日:2013-04-03 歌手:トーマ 作詞:トーマ 作曲:トーマ