さよなら前夜-ヤユヨ

左側が無音のイヤフォンから

分かって欲しかった恋の歌

終点間際で目を開けて

今日も自分を愛せなかったと

疲れた顔が窓に映っている

昨日、15時、1時間の

微睡みを終えた君を見た時

もうこの部屋に来ることはないかもしれない

と思ってしまった

自転車の伴を漁るカバンの中には

未開封の飴

誰に貰ったのだろう

雨が降った後の湿った駅には

煙を吐く制服姿

踏切が泣く音を背にして

今日も星が見えない空を

眺めて朝の道を戻っている

今夜、22時、1時間の

お風呂の後に携帯を見て

君が画面だけの人になっても

平気かもと思ってしまった

朱色のリボンで逆さまに吊った花束が

寂しく微笑む

誰に貰ったのだろう

日付が変わって

明日が今日になったら嫌だな

知らない日々が始まる

本当に終わっちゃうの?

なんて君は言わずに頷いて

今までの日々を呑気に話し出すかな

その横で私が泣くかな

じゃあね、さよなら、またね、なんて

くだらない約束だけが残されて

2人の日々は青い痣のように薄れてしまう

昨日、15時、1時間の

微睡みを終えた君を見た時

もうこの部屋に来ることはないかもしれない

と思ってしまった

テレビから流れる聞き覚えのあるメロディは

甘くて切ない

誰に教えてもらったのだろう

発売日:2020-06-10

歌手:ヤユヨ

作詞:リコ

作曲:リコ