欠けた月を眺めた獣は お前が羨ましいと言った なあ 不完全なお前を皆美しいと言う あれは嘘だ きっと嘘だ 痩せ細った身体のどこにも 欠けたところなど無いが 誰もが 俺を腫れ物の様に嫌い 追い払っては 化け物だと そう言った 月はただ微笑みを浮かべている お前まで俺を笑うのか 今 頬を伝って 流れた滴の 理由も名前も獣は知らない 傷はひとつも無いのに 胸が痛むから 夜の静寂にひとり吠えるのさ どこへ行こうとも 月は付いてきた お前もひとりなのか? それでも俺とお前は違うさ ご覧 道行く誰もが 俺のことなど その目には映らないようだ 月はただ静かに沈んでいく 次第に明けゆく空の向こうへ 気付けば眠っていた獣は 朝靄の中でひとり目を覚ます ようやくいなくなったか 生意気な月め 別れのひとつも言えないのか 今 頬を伝って 流れた滴の 理由も名前も獣は知らない 何も失くしてないのに 胸に空いた穴を 埋めるように何度もひとり吠えるのさ 欠けた空を眺めた獣は お前が羨ましいと言った 発売日:2020-01-29 歌手:Halo at 四畳半 作詞:渡井翔汰 作曲:渡井翔汰