曖昧で美しい僕たちの王国-For Tracy Hyde

辻褄合わせでは片づかない感傷がほころび出した頃も、

君をずっと知っていた。

衣更着に挟んだ栞をさらう風。

言葉も形もない心になれたらいいのにな。

戻りたいような、忘れたいような、

遠のく日々も花の雨だ。

祈りのうちに重ねた手は、

なにかを伝えられたのかな。

白い城壁があり、汚したい欲がある。

口にさえしなければ怯えることもない。

曖昧で美しい僕たちの王国だ。

辿り着く果てのない十字路で戸惑うことがすべて。

戻れないことは、忘れないことか。

手離す愛は知らないまま。

すがれば崩れてしまうのも、

綺麗な過ちになるかな。

優しくなれないことが怖くて、

必要とされないことが怖くて、

それでも呼び続けるのは、

君の四季にいたいだけ。

戻りたいような、忘れたいような、

遠のく日々も花の雨だ。

祈りのうちに重ねた手は、

ほどかないままでいて。

戻りたい距離と、忘れたい瑕疵の、

後ろめたくも美しい国。

その声のありのままに触れて、

いつかは繋がりあえるかな。

発売日:2019-09-04

歌手:For Tracy Hyde

作詞:管梓

作曲:管梓