炎-宮下遊

焼け跡の写真を

集めてはしまい込んで

いつか遠くに見た火は

そこにあった

焦げ付くいびつな指先

溶ける硝子のきらめき

想いはどれほど形を残せるだろう

あなたは炎の中をまだ生きている

悲しささえ忘れたように

不思議そうな顔をして目を細めている

踏みしめる灰の

もろい柔らかさが

その胸を綻ばせる

ほろほろと崩れて

焦げ付く髪の香りが

私を裏付けたように

あなたもその身を強く焼いているのか

あなたは炎の中をまだ生きている

差し出される手を熱に溶かし

分からない言葉に燻されて立ち尽くしている

痛みの無い熱さまで

青くなれそして真っ白になれ

あなたは炎の中をまだ生きている

悲しささえ忘れたように

不思議そうな顔をして笑った

あなたは炎の中をまだ生きている

追い風はすべてを焼き尽くしていくだけ

あなたは

燃えている

それでも生きている

発売日:2018-12-19

歌手:宮下遊

作詞:Mah

作曲:Mah