と・も・子…-吉幾三

【台詞】

とも子と二人で暮してた頃、ハッピーでナウな日々だった。

「買い物に行って来まーす」ってとも子。

「あぁいってらっしゃい、 気ィつけてね」って私。

それっきり!かれこれ一年にもなるべか?

淋しくて恋しくて、とも子のはいてたパンティー、いっつも頬ずりしてるのよ。

「とも子、歯の綺麗な人嫌い、頭の毛キチンと分けてる人も嫌い、

男のくせにオーデコロンつけてる人、大嫌い!」って。

「とも子、どんな汚い恰好でもいいの、心の綺麗な人なら」

って言うから、私、一年位だべが?

歯も磨かないで頭の毛ボサボサだ、風呂なんか入ったこともない!

したら、とも子「汚な過ぎる」って。

とも子探して旅に出た。盛岡、仙台、福島、山形、あっちこっち回った。

とも子の田舎、秋田だって聞いて、秋田訪ねて行った。

そしたら、アパートの管理人が出て来て

「あ、その人ならさっき引越しましたよ」って。

「あれー、どこへ行ったか分かりますか?」っつったら、

「青森に行くようなこと言ってましたよ」って。

青森訪ねてみれば…別人ですごく綺麗だったりして…。

秋の函館、とも子の居る所分かった。

アパートの下から「とも子、俺だよー」っつっったら、とも子、

窓から顔ベローっと出して、いきなりワーって泣いて。

「どうしたの?大きなお腹して、食べ過ぎたの?」って尋ねれば、

「子供できたの」って…。

「あれー、子供できたの。誰の子供なの?」って尋ねれば、「知らない」って。

涙コひとつボローンと流して…。かわいそうな、とも子。

あれから三回目の秋だ。とも子が死んでから…三回目の秋だ…。

この歌をあなたに 聞かせたかった

この歌をあなたに 聞いてほしかった

この海の向こうに 旅に出た君に

間に合わなかった 花束のかわりに

あなたのために 作ったこの歌 二人の愛の歌

この花をあなたに 渡したかったこの歌をあなたに 遅かったラブ・ソング

ラララ…

とも子 とも子 遅かったラブ・ソング

発売日:2007-06-20

歌手:吉幾三

作詞:吉幾三

作曲:吉幾三