独鈷の鉄五郎-港アケミ

おーい信公 口紅のついた上衣は 脱ぎすてて船に乗れ

竜神さまは やきもちやきじゃけんのう…

やい辰 いつまで女の尻ば追いかけちょるんじゃ

祭りは終ったど 早よう船首(おもて)を放さんかい…

人のつくった 人の世を

好きではみだす あほう鳥

裸祭りの 温もりを

潮で清めて 船を出す

つきんぼ稼業は 一代かぎり

せがれ真似るな 縄の帯

ああ俺(わし)ですか

わしゃあ 鉄五郎というマグロ突きの漁師ですがの…

一年三百六十五日 カジキを追うて暮らしております

銛が一本 それに酒がありゃあ 喜んで沖へ出よります

女? そりゃあもう 嫌いじゃないわのう…ハハハ…

金華山とか 呼ばれても

銭にならない 岩の山

似てやせんかい この俺に

惚れちゃいけない 磯千鳥

つきんぼ稼業に 明日はないぞ

青い墓場に 浪の花

土佐で生まれた このわしが

惚れたお方は 万次郎

ちょいと隣りの アメリカへ

一升ぶらさげ 散歩する

つきんぼ稼業に 情けはないが

赤い夕陽が 目にしみる

発売日:2015-03-04

歌手:港アケミ

作詞:星野哲郎

作曲:浜圭介