マジックリングナイト-Royal Scandal

騒ぐ砂の海。眠る空の果実。

夜に消えた蜃気楼。絹の轍を征く。

そこに現れた、白い異国の美女。

“逃げるならこっちだよ”

アルフ・ライラ・ワ・ライラ。

君に巡逢[であ]えた夜のことは、まるで魔法みたい。

恋に堕ちた。

それだけでもう僕は、どんな呪文さえ効かない。

千夜に一夜の夢をみたいと、彼女はひとり逃亡[にげだ]した。

じゃあ、知らない世界を観に行こうか。

“僕を信じて”

見慣れない服、気になる靴に、彼女は少し微笑んだ。

君の自由[ねがい]ならば叶えてあげる。

リ・ドニア・ファウク。

このまま、ふたりきりで。

……だけど現実は、まるで囚われの身。

身分[うまれ]が違いすぎる。君は異国の令嬢。

権力[ちから]の無い者は、傍にさえいられない。

こんな僕じゃあダメだな。

アルフ・ライラ・ワ・ライラ。

ふと気がつけば午前0時。これは誰の影?

なぜか異国の帽子屋と兎が、僕を禁忌[ハラム]へと手招く。

彼女の自由[ねがい]叶えたいなら、向かう先はただひとつ。

その指輪が権力[ちから]をくれるという。

“俺を信じろ”

危険な旅路。荒れ狂う砂塵。命さえもわからない。

でも君のためなら何だっていいさ。

冷たい砂の上で孤独[ひとり]。

魔法の指輪が、僕の心を権力[サルタン]の獣に変える。

僕の憤怒[すべて]さえも呑み込んで咲く「アルカナの薔薇」。

「仮面の裏」に隠した野望、気付いていたはずなのに。

君の自由[ねがい]はもう叶えられない。

例え愛を失っても、また僕を信じて。

……君を愛してる。

そして僕は、ひとり恋をした。

発売日:2019-12-18

歌手:Royal Scandal

作詞:奏音69

作曲:奏音69