秋桜-花見桜幸樹

淡紅の秋桜が 秋の日の

何気ない陽溜りに揺れている

此頃涙脆くなった母が

庭先でひとつ咳をする

縁側でアルバムを開いては

私の幼い日の思い出を

何度も同じ話くりかえす

独言みたいに小さな声で

こんな小春日和の穏やかな日は

あなたの優しさが浸みて来る

明日嫁ぐ私に苦労はしても

笑い話に時が変えるよ

心配いらないと 笑った

あれこれと思い出をたどったら

いつの日もひとりではなかったと

今更乍ら我儘な私に

唇かんでいます

明日への荷造りに手を借りて

しばらくは楽し気にいたけれど

突然涙こぼし元気でと

何度も何度もくりかえす母

ありがとうの言葉をかみしめながら

生きてみます私なりに

こんな小春日和の穏やかな日は

もう少しあなたの子供で

いさせてください

発売日:2015-08-05

歌手:花見桜幸樹

作詞:さだまさし

作曲:さだまさし