休暇旅行-谷山浩子

それから 76億年 ふたりの午後は

それから 終わることなくつづき 雲は動かず

長い時を過ごした もの言わぬ山脈と

がらんと ただ広い空 なにもない 寒い荒れ地

それは 石のテラスでふたり お茶を飲むだけの

長い午後 気の遠くなるような 長い長い午後

あの日 明け方の駅に 見えない汽車がついて

見えない乗客たちが 手招いた 見えない窓

それから 76億年 ふたりの旅は

それから 終わることなくつづき この土地についた

どこかの駅で 地図をなくした

ふたつに折れた コンパスの針

ここには道標がなく なんの目印もない

それどころか 道もない

振り返れば 今わたしたちが出てきた駅も

どこにも見あたらない

はるかな はるかな旅をつづけ 遠く遠くへと

永久(とわ)に終わらない夏休み あなたとわたしの

見上げる彼方 空の高みに

炎と海の 銀河が燃える

タマシイだけが 帰ると叫ぶ

炎と海の 銀河の故郷

発売日:2004-09-15

歌手:谷山浩子

作詞:谷山浩子

作曲:谷山浩子