まりこさん-さだまさし

夜中に目が覚めたら まりこさんがベットの端に腰かけて

身づくろいをしていた

酒に張り倒されて 起きられない僕横目で笑ってビール

もらうわと冷蔵庫あけて

なみ・なみ・なみとグラスに注いで

まるで薬あける様に飲み干して

大きなため息を 遠慮無しに吐いて

それから下着姿でソファに腰かけて

身体のあちこちの

青アザやバンドエイドを数え乍ら

さびしいと独白く

お酒に酔えばいつも 必ずいくつかの傷をこさえるのよ

みてよこんなに沢山

お湯を沸かす時に カップラーメン食べるつもりで火傷

それにガラスで切った指先

ほら・ほら・ほらとグラスをあおって

何か無理に流し込んでるみたいだ

お酒やめればいいのに そんなに好きかときけば

ふいに彼女は怒った様に吐きすてた

酒なんて大嫌いよ

だけど男にひっかかるよりましね

そうよ百倍は好きよ

あんた幸福だから わからないのよあたしこれから何処へ

帰ると思うの

誰も待ってない部屋 灯り点けた時の淋しさあんたには

一生わからないわよ

酒・酒・酒友達などないわ

男と心中なんて死んでもいやだわ

さみしいねお酒より 上手な嘘つきの

男に逢いたいわね 処であんた

バンドエイド持ってない?

新しい傷が出来たと彼女は笑って

靴下をはいた

発売日:2004-06-30

歌手:さだまさし

作詞:さだまさし

作曲:さだまさし