阿芙蓉寝台-ALI PROJECT

水銀を混ぜた薄紅の美酒を

そうと知りながら飲み乾しては

溶かしこむ 戀よ

この身が纏えぬ白繻子の衣を

微醺の躰を巡り終えた

血糊で染めれば

甘き死を粧って

あなたが抱く

私こそが罌粟の華

足も腕ももぎ取られた

囚われの女のように

想いだけが留まっている

胸を裂けばこの鼓動を

捧げて饗せますか

擦り切れた絹の阿片寝台に

臥せれば百年も昔の

黄昏が広がる

永い刻をただ出逢う為だけに

生きたと申し上げましょう

あなた終わりなどないと

永遠の忘却は

恐れより痛みより

耐え難いもの

頸も骨も切り刻まれ

人形の一塊となる

わが心は烟と散り

物を言わぬ脣から

吐き出される紫

吸えよ深くこの私を

さあ咽に皮膚に肉に

爛れながら気づくがいい

限りないほどの恍惚

真の愛の化身を

私を視る眼を剔ろう

ああ愛しき罪人よ

闇の底で共にあらん

裂いた胸の心臓を

重ねて饗し合おう

発売日:2009-08-26

歌手:ALI PROJECT

作詞:宝野アリカ

作曲:片倉三起也